伝統的スタイルを貫く48ヘクタールの大ドメーヌ
サヴィニー・レ・ボーヌに本拠を置くアントナン・ギヨンは、48ヘクタールのブドウ畑を耕作する大ドメーヌである。
1960年代に先代のアントナン・ギヨンがジュヴレ・シャンベルタンからムルソーにかけて秀逸なクリマを手に入れ、70年代になると、その息子で現当主のドミニクが、オート・コート・ド・ニュイに点在する350もの区画を80軒の農家から買い集めた。
ブルゴーニュACとオート・コート・ド・ニュイのワインはドメーヌ・ドミニク・ギヨン、それ以外のアペラシオンはドメーヌ・アントナン・ギヨンの名がラベルに冠される。
これだけ広大なブドウ畑をもちながらビオロジック栽培にも熱心で、2015年から正式に移行。2018年にはエコセールの認証を取得予定という。
収量はアペラシオンやヴィンテージに応じて28〜42hl/haだが、2016年は遅霜の被害が甚大で、ボーヌの生産量はなんとゼロ。お膝元のサヴィニーもわずか1割という状況である。
ワイン醸造はいたってトラディショナル。畑と醸造所の2回にわたって選果をし、完全除梗のうえ、発酵前に10度の低温浸漬、ピジャージュ、ルモンタージュ、デレスタージュによって抽出を行う。発酵容器は古式ゆかしき木製の開放槽である。熟成用の樽はフランソワ・フレールとダミーを中心とし、新樽の比率は平均25パーセント。
赤は18ヶ月間の熟成を施す。
白は全房で圧搾後、小樽発酵。週に1回のバトナージュを行い、コルトン・シャルルマーニュの18ヶ月は例外として、他のアペラシオンはだいたい12ヶ月の樽熟成だ。
白はピュリニー・モンラッシェの1級ピュセル、ムルソーの1級シャルム、それに特級コルトン・シャルルマーニュ。赤は特級にコルトン・ブレッサンド、コルトン・クロ・デュ・ロワ、そしてシャルム・シャンベルタンといった銘醸畑をもっている。
評論家受けを狙った大柄なタイプではなく、アントナン・ギヨンのワインは繊細にしてエレガント。料理と寄り添う、伝統的なスタイルを貫いている。
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