クレマンも見事に仕上げるアルザスの新星
ドメーヌ・グリュスはアルザスに3代続く、エギスハイム村拠点のドメーヌ。
1962年にジョゼフ・グリュスがわずか4haのブドウ畑からワイン造りを始め、息子のベルナールに受け継がれた。現在はさらにその息子のアンドレが家業を継ぎ、エギスハイム、ヴェトルスハイム、エアリスハイム、ルファックの4ヵ村に計16haのブドウ畑を所有。ワインを醸造している。
ブドウ畑の区画数はじつに42にも分かれ、標高280〜340メートルの高さに散在。当然、それぞれのテロワールは異なっている。
石灰性の泥灰土や石灰性の砂岩など。栽培方法はリュット・レゾネで、自家製の堆肥を必要に応じて使用。冬は畝間にライ麦の種を蒔いて生やし、表土を柔軟に保たせている。
つねに畑を観察。闇雲に薬剤を使うことはしない。処置が必要な時であっても、使用するのはもっぱら、硫黄、銅、イラ草を煎じたものという。
収穫は手摘み。選果の後、空気式圧搾機でゆっくりと搾汁。発酵にはステンレスタンクを主に使用している。だからといって伝統を軽んじるものではなく、オークの大樽も用いる。
自生酵母により自然発酵。ワインは澱とともに翌年3月まで熟成させ、その間にバトナージュを行う。清澄は澱引きと珪藻土による軽いろ過のみ。
瓶詰めは暑い夏が来る前、果実の日で月の降りる日に好んで行っている。
所有する畑の内訳は、クレマン・ダルザス用が2.9ha、アルザスが9.85ha。アルザス・グラン・クリュはアイヒベルク(エギスハイム村)、プフェルシベルク(エギスハイム村、ヴェトルスハイム村)、ヴォルブール(ルファック村)の3つで合計3.4haになる。
アルザスやアルザス・グラン・クリュだけでなく、発泡性のクレマン・ダルザスでも、手摘み、自然発酵にこだわる、手抜きのない造り手だ。
生産者情報のPDFダウンロード:ジョセフ・グリュス・エ・フィス