コート・シャロネーズとは思えぬ濃密さと力強さ
コート・シャロネーズにおける銘醸地のタイトルを、小さいながらもメルキュレイと争うジヴリー。そのトップドメーヌがジョブロである。
ドメーヌが所有するブドウ畑の総面積は14haほど。
すべてジヴリーのアペラシオンにあり、1級畑はセリエ・オー・モワンヌの赤(2.14ha)、
セルヴォワジーヌの赤(2.80ha)と白(0.65ha)、マロールの赤(2.48ha)、ボワ・シュヴォーの赤(1.23ha)、
それから2011年より1級に昇格したアン・ヴォーの白(1.75ha)。村名畑はピエ・ド・ショームの赤(0.57ha)と白(0.73ha)だ。
現在、ドメーヌでワイン醸造に従事するのはジュリエット・ジョブロ。
1986年生まれで、大学で醸造学を修め、ディプロマを取得。ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティや南アのワイナリーで研修をした後ドメーヌに戻り、
父ジャン・マルクの下で仕事を学び、2012年から醸造とドメーヌの管理を行っている。
このドメーヌの特徴は、白で45%、赤で60%という、ジヴリーでは珍しいほど高い新樽率にある。
もちろん無闇に新樽を使っているわけではなく、それに十分耐え得る濃縮度のブドウを収穫しているから可能なこと。
樽工房はサン・ロマンのフランソワ・フレールである。
ジョブロのワインのポイントは、「豊かな果実味、余韻の長さ、複雑さ」の3点。
出来上がったワインは、赤白いずれもそのポリシーに忠実な仕上がりを見せる。
赤ワインは100%除梗のうえ、5日間の低温マセレーション。ステンレスタンクでアルコール発酵を行い、週2回のピジャージュ。後半はピジャージュの頻度を週3回に増やす。樽熟成期間は12ヶ月。
白ワインは、ジュリエットがドメーヌで仕事を始めて一番大きく変わったこととして挙げられるのが、デブルバージュ。
父ジャン・マルクはデブルバージュを行わなかったが、ジュリエットになってするようにした。発酵は15-20℃で行う。
バトナージュは意外になし。にもかかわらず、グラの感じられるリッチな風味である。
コート・ドールのワインすらひれ伏すほどの濃密さと力強さを備えたドメーヌ・ジョブロのジヴリー。
ブラインド試飲のサプライズには、最高のアイテムに違いない。