何世紀もカオールに根付いた一族が、
この土地らしさをあらゆる形で表現したカオール。
1456年にラテン語で記された羊皮紙に、ビュルク家がこのカオール近郊で既に土地を所有していたと記録されている。
また、1663年と1838年のブドウ畑の証文でもこの一族の歴史が確認できる。
現在のシャトーでビュルク家がカオールのワイン造りを始めて5代目にあたるのが現当主のジャン・マルク・ビュルク。
父と共に6代目のアンヌとエマニュエルも活躍している。
畑は50ヘクタールあり、カオールに見られる様々なタイプの土壌が揃っている。
ロットと呼ばれるテラスの畑では、下層土は古い沖積土壌で粘土と泥土を伴う石灰岩。
この地域では低地の畑では粘土質の割合が高いが、ピネレの畑はテラスの上方、2番目と3番目にあるため、粘土だけでなく石灰質が多く硬い火打石も見られる。
全体の栽培比率は、マルベック85%、メルロ15%。収穫量は区画によって45hl/ha〜30hl/haと異なるが、きちんと成熟して健全なブドウが得られる。
殺虫剤などは最小限度しか使用せず、自然環境と働く人々の健康に配慮している。
以下のように4種類のカオールを造り、カオールの様々な側面を表現している。
ラ・キュヴェ・デ・ダーム:
マルベック85%、メルロ15%で、樹齢20年の若樹を使用。手作業で選果の後、ステンレスタンクにて比較的短い10〜12日間、低めの25〜28度で発酵し、そのまま瓶詰め。マルベック特有の果実のフレーバーを生かすのが目的。
ル・マルベック・デュ・シャトー・ピネレ:
石灰質土壌のマルベック100%。12ヶ月樽熟成。造りはル・シャトー・ド・ピネレと同様。
ル・シャトー・ピネレ:
樹齢30年ほどのマルベック85%、メルロ15%で、カオールの特異性をすべて備えているキュヴェ。3番目のテラスのブドウで収穫量は40hl/ha。ステンレスタンクにて15〜20日間、30度で発酵。12〜18ヶ月樽熟成。新樽は20%。これがメインとなるキュヴェ。
ロタンティック・デュ・シャトー・ピネレ:
砂利とシリカが豊かな3番目のテラスに1920年に植えられたとても古い5ヘクタールの畑のマルベックのみ。類い稀な品質。すべて手摘みで、丁寧に選果され、木製発酵槽にて25〜30日醸造。18ヶ月樽熟成で60〜70%が新樽。