地中海に面した岸壁の段々畑から、卓越した伝統の味を守り続ける少量生産の白とロゼ
オーナーのザフィロプロ家は、当初はギリシャ産業に関心があったが、19世紀にマルセイユに落ち着き、以来4世代にわたって偉大な白ワインの生産に貢献してきた。
現在は、フランソワ・サックと妻でザフィロプロ家の後継であるジョルジーナが取り仕切る。
フランソワはパリ生まれだが、このワイナリーに従事して既に35年間。今では2人の息子ジョナサンとグレゴワールも参画し、ここの独自性を保ち続けている。
地中海に突き出した岸壁にテラス状にある20ヘクタールの畑は、樹齢は15年から40年。カシの街を見下ろす位置にあり、山に囲まれ、海風が入り込んで来るという特別なミクロクリマ。
畑は19世紀末には開墾され、1900年にパリで行われた万博で白ワインが金メダルを獲得した歴史もある。
ザフィロプロ家がここを購入したのは1920年だが、この地でのブドウ栽培ははるか2500年もの昔、ギリシャ人がコロニーを設立した頃へ遡る。
中世からフィロキセラ禍に苛まれるまでの間は、マルセイユの司教によってカシのワインは丹念に造られていた。
フィロキセラ後は、この村の畑はエミール・ボダンとクロ・サント・マグドレーヌの前オーナーであるジュール・サヴォンによって復活された。
A0Cシステムが1936年に採用されるとすぐ、カシはすぐさま認可された。現在カシ全体で11の畑があり、合計215ヘクタールとなる。
クロ・サント・マグドレーヌでは、有機栽培に取り組み「AB」(AGRICULTURE BIOLOGIQUE)から認可を受けている。
収穫は手摘みで、果汁の温度を適切に保つため朝のみ行われる。除梗の後に圧搾され、タンクへ移す際にはドライアイスで酸化を防いでいる。発酵後14-18ヶ月間温度管理のできるタンクとコンクリートで貯蔵される。
白
マルサンヌ、ユニ・ブラン、クレーレット、ブールブーランのブレンド。白い花、スパイス、胡椒、ミントのアロマ、そして少々蜂蜜のタッチ。豊かでなめらかな口当たり。
ロゼ
グルナッシュ、サンソー、ムールヴェードルのブレンド。珊瑚のようなロゼ色。花と赤い果実のアロマが魅力的で、フレッシュでバランスよい味わい。ロゼは約7000本のみの生産。