マールボロで最も古く最も広い畑のひとつを所有
粘土と石灰質の融合を表現するワイン
マイケル&ロビン・タイラー夫妻がワイラウ・ヴァレーでブドウ園を始めたのは1982年。それまで夫のマイケルはニュージーランド航空のパイロットを務め、頻繁にその上空を飛んでいたのだという。
ここは、ワイラウ川が削りとったテラス状の土地で北向き斜面。日照量が十分にあり霜害の心配がない上、貧しい土壌だから、ワイン用のブドウ栽培に最適だと判断した。
1994年からワイン造りを始めるにあたってラベルに冠した名前は、当時ブドウ栽培への転身を激励してくれた亡き母の名、イザベルだ。
2014年に大きな変化があった。
イギリスの銀行系会社に売却、その投資会社管理下のピナクル・ドリンクス社により新規事業として再開した。
現在、そのピナクルから栽培、醸造を任されているのが、ジェレミー・マッケンジー。ブルゴーニュの複数ドメーヌで経験を積み、ヴィラ・マリアのシニアワインメーカーを8年務めた。
現在のワイナリーはワイナリーの周囲に展開する15haの所有畑を耕作。
栽培は有機農法を行っており、BioGroより認証を受けている。畑の活性化に海藻の粉末を溶かした液体も用いるなどの工夫もしている。
イザベルの顔とも言うべきソーヴィニヨン・ブランは、複雑味に富み、口に含む時のインパクトは一般的なソーヴィニヨン・ブランと一線を駕す。エキゾチックフルーツの風味にスパイスが折り重なっている印象。果実味も厚く飲みごたえがある。2016年から導入した
新型プレス機でその特徴が一層顕著に表れるようになっている。
シャルドネは、樹齢30年のメンドーサ・クローン、95、221。天然酵母を使用し100ℓ樽で発酵。新樽比率は30%。11か月シュル・リーで樽熟する。オイリーでミネラルも感じるキュヴェ。
ピノ・ノワールは、タンニンが細かく柔らかさがある。酸も十分酒質をまとめ、果実はブラックフルーツの風味。平均的なマルボロスタイルのピノ・ノワールに比べ、ヨーロッパ的なスタイルに仕上がるのがイザベルのキャラクター。
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