メルロの性質が特徴的な
サンテステフのクリュ・ブルジョワ
「シャトー・ラ・コマンドリー」というシャトーは各地にいくつか存在するが、これはサンテステフのクリュ・ブルジョワ。
シャトー・ラ・コマンドリーは、テンプル騎士団の時代、12〜13世紀にまで歴史を遡れる由緒あるシャトーで、現在の建物は改築されたもの。
プラント事業のエキスパートであるガブリエル・メッフルが、仕事がら様々な地域を旅する中でボルドーを大変気に入り、この地に投資をしてワイン造りを始めたいと考え、このシャトー・ラ・コマンドリーを1956年に購入することに決めた。
シャトー・ラ・コマンドリーは1932年の格付けでクリュ・ブルジョワに認定され、その後1996年にクロード・メッフルがここを継承して当主となり、このテロワールが持つものを最大限に引き出そうと尽力をし続けている。
合計17ヘクタールの畑はいくつかの区画にわかれている。
主となるのはジロンド河へ向かってゆるやかな斜面を形成している10ヘクタールで、大きな石と丸く平たい石が、豊かな砂と粘土石灰質の下層土を覆っている。
他のふたつの区画は、砂利が多くカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培に適しており、シャトー・モンローズとシャトー・コス・デストゥルネルと同様の土壌条件を備えている。
栽培比率はメルロ55%、カベルネ・ソーヴィニヨン45%。ブドウの平均樹齢30年で、植樹はヘクタールあたり6,500株。
収穫は手摘みと機械摘みを併用している。発酵は温度管理されたタンクで行われ、小樽での熟成期間は約12ヶ月。樽は毎年3分の1ずつ新調される。
濃い色合いで、黒い果実やスパイスなど、まるみのある力強い香りがする。
味わいもまろやかで豊かで、厚みがあり、タンニンはとても細やか。