テロワールのエッセンスを引き出す樹齢100年以上の古木
ポマールを代表する造り手のひとりであり、女性醸造家としても名声を誇るアレット・ジラルダン。
彼女はかつて、フランスの名優、ミシェル・ル・ロワイエと結婚していたことがあり、当時のドメーヌ名はル・ロワイエ・ジラルダンといった。
ジラルダン家は少なくともポマールに5世代続く栽培農家で、現在、このアペラシオンに5つの1級畑を所有するほか、ボーヌとムルソーにも畑をもち、その総面積は約7ha。
必要な時にのみ薬品を用いるリュット・レゾネでブドウを栽培している。
また、アレット・ジラルダンの畑は古木が多いことも大きな特徴。平均樹齢はおよそ60年。
ポマール1級のリュジアン・バとレ・ゼプノは1906年に植えられた、樹齢100年以上の超古木である。
ワイン造りは20年前と比べて大きく変わったようだ。以前は除梗機もなかったが、現在は除梗機によって80%の梗を取り、20%ほど全房のまま仕込んでいる。
古めかしい木桶での醸造は変わらぬものの、アルコール発酵の前に低温マセレーションを実施。抽出は今でも木桶の上から自分の足でピジャージュしている。
また、発酵後の小樽熟成にも進歩があり、昔の新樽率は10%程度だったが、現在は村名で30%、リュジアン・バとレ・ゼプノで50%まで増えている。
18ヶ月間寝かせた後、清澄なし、無ろ過で瓶詰め。
これらの変革により、アレット・ジラルダンのワインは以前と比べてはるかに垢抜けている。
香りが開くのも早くなり、口に含めば果実味が前面に押し出される。
もっともリュジアン・バは頑固な性質。そうでなければリュジアンではない。ポマールとしてはエレガントなレ・ゼプノと巧みにコントラストを見せつける。
ポマールの2大1級畑の違いを読み解く、大きな手がかりになる造り手だ。
アレット・ジラルダンは2015年を最後に引退しました。(弊社入荷は2014年まで)
これまでのご愛顧ありがとうございます。