堅実なシャブリを醸造する もうひとつのドーヴィサ
ドーヴィサと聞けば、ルネ・エ・ヴァンサン・ドーヴィサを思い浮かべる人が多いだろうが、忘れてはならないもうひとつのドーヴィサがこのセバスチャン・ドーヴィサだ。
それぞれの先代、ルネとジャンが従兄弟同士という間柄。ところが面白いくらいに両者のワインは異なっている。
ヴァンサン・ドーヴィサがオーク樽を使った醸造をドメーヌのアイデンティティとしているのに対し、セバスチャンはタンクが主体で、樽を使うのは1級畑ヴァイヨンの一部、ヴァイヨン・ヴィエイユ・ヴィーニュ(樹齢65年、2010年までは樹齢80年だった)とグラン・クリュのレ・プルーズ(樹齢60年)のみ。
樽熟成期間は10ヶ月に留め、その後、さらにタンクの中で10ヶ月寝かせる。新樽は原則的に使わず、平均4、5年使用した古樽のみだが焼きは強い。
セバスチャンは焼きが強いほうがシャブリのミネラルがきれいに出て、ミディアムトーストの樽を使うとかえってワインがバターっぽくなりシャブリらしさが損なわれると主張する。
実際に味わってみると、どのクリマもシャブリらしいミネラルがピュアに表現されている。じつに堅実なシャブリのドメーヌだ。