有能な醸造家兄弟が醸し出す、パワフルなヴァン・ド・ガルド
ジャッキー・コンフュロンが父からブドウ畑を譲り受けた時、その面積は2.5haしかなかったという。現在は11haに広がった畑を、ジャッキーのふたりの息子、ジャン・ピエールとイヴが管理。
ジャン・ピエールはボーヌのメゾン・シャンソン、イヴはポマールのドメーヌ・ド・クールセルをコンサルタントする、ふたりとも有能な醸造家だ。ところが性格は異なり、兄のジャン・ピエールは真面目一方だが、実質的に実家のワイン造りを取り仕切る弟のイヴはシニカルな冗談が耐えない。
醸造するアペラシオンは、今やコート・ド・ニュイに止まらずコート・ド・ボーヌにまで及び、ポマールやムルソーも手がける。特級畑はエシェゾーとクロ・ド・ヴージョに小さな区画をもち、それぞれ樹齢60年と80年の古木である。
父ジャッキーの時代からこのドメーヌは遅摘みをモットーとし、可能な限り熟したブドウを収穫。毎年、最後に摘み取りを行う造り手として知られる。
収穫したブドウは、除梗せず全房のまま発酵桶へ。低温マセレーションを行い、ブドウの皮からアロマを抽出。続いて自生酵母による自然発酵。キュヴェゾン全体の期間は長い。樽熟成についても独特のポリシーをもち、新樽率は低い一方熟成期間は長く、30ヶ月に達することも珍しくない。
こうして造られるワインは、深みのある色調と豊かなアロマをもち、そして味わいも濃縮感溢れるタイプ。
まさにヴァン・ド・ガルドと呼ぶに相応しい、大きな体格のワインである。