自然体の造りが飲みやすさを生む ニュイの隠れた逸材
ユベール・ショーヴネが自身のドメーヌを立ち上げたのは1975年に遡る。
その10年後、エヴリーヌ・ショパンと結婚し、ドメーヌ名をショーヴネ・ショパンと改めた。
このエヴリーヌがコンブランシアンの伝説的ドメーヌ、ダニエル・ショパン・グロフィエの娘で、1997年から2001年にかけて父の畑を相続。
村名ヴージョ(実際は1級のプティ・ヴージョ)、ニュイ・サン・ジョルジュ1級シェニョ、特級クロ・ド・ヴージョなどのアペラシオンが加わっている。
今日、ドメーヌは14.5haの畑を14のアペラシオンに展開。とくにお膝元のニュイ・サン・ジョルジュにはミュルジェ、オー・ザルジヤ、オー・トレイ、そしてシェニョと4つの1級畑を揃えている。
ユベール本人は義父との接点がなく、ブドウ栽培やワイン造りは彼自身で築き上げたものだ。
芽掻きと夏季剪定で収量を制限し、除葉によりブドウの熟度を促進。除草剤は使わず畑を耕す一方、畑によっては草生栽培も試みている。
手摘みしたブドウは振動式の選果台の上で選別のうえ、完全除梗。ポンプを使わずにベルトコンベアでタンクへと送られる。
3〜4日の低温マセレーションを経てアルコール発酵。樽熟成は12〜18ヶ月。新樽率はヴィンテージとアペラシオンに応じて20〜40%である。
ユベール・ショーヴネの造るワインはよい意味で気負いがなく、じつに自然体のスタイルである。
とくにヴォーヌ側の丘に位置するニュイ・サン・ジョルジュ1級の4つのクリマは、どれもタンニン滑らかで優しく飲みやすい。
熟成を待たずとも若いうちから楽しめるタイプなので、レストランでは重宝するはずだ。