フランソワ・カリヨンの後を継ぐ息子ポール
ドメーヌ・ポール・カリヨンとは、実質的にピュリニー・モンラッシェのドメーヌ・フランソワ・カリヨンである。遺産相続の関係でドメーヌ名を息子のポールに変更しただけで、所有畑もワイン造りも従来となんら変わりはない。
フランソワ・カリヨンのルーツは1520年にまで遡り、フランソワが15代目、ポールが16代目となる。先代のルイ・カリヨンはルフレーヴやエティエンヌ・ソゼと並ぶ、ピュリニー・モンラッシェの銘醸家。フランソワは1988年にドメーヌ入りし、おもに醸造を担当する兄のジャックに対してブドウ栽培に従事し、父のドメーヌを盛り立てた。父のルイが引退した2010年に独立し、ドメーヌ・フランソワ・カリヨンが誕生。そして、2014年ヴィンテージ以降はドメーヌ・ポール・カリヨンとしてワインがリリースされるというわけだ。
所有している畑も、ピュリニー・モンラッシェ1級のフォラティエール、コンベット、ペリエール、シャン・ガン、特級のシュヴァリエ・モンラッシェと素晴らしいクリマばかり。
すでにルイ・カリヨン時代から環境に負荷をかけないブドウ栽培に傾倒していたフランソワは、自身のドメーヌでビオロジックを実践。除草剤の使用を止め、トラクターの入れない場所では馬を使って耕作している。
白ワインの醸造は、手摘みされたブドウを小樽で醸造。アルコール発酵、マロラクティック発酵の期間も含め、ワインが樽に入っている期間は丸1年。クリマによって新樽比率を調整する。その後、タンクに移して6ヶ月寝かせた後、瓶詰めとなる。
充実した果実味とともにテンションの感じられる、気品があり、洗練された造り。ポールもまた、偉大な父が確立したスタイルを継承し続けるだろう。
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