ヴォルネイの父とピュリニーの母から珠玉のクリマを受け継いだラッキーガイ
創設者であり先代のジャン・マルク・ボワイヨは、1984年まではヴォルネイの実家において、祖父や父の下でワイン造りに励み、それ以降1989年まではピュリニー・モンラッシェのオリヴィエ・ルフレーヴで醸造長の職に就いていた。
彼が自身のドメーヌをポマールに立ち上げたのは1985年。つまり1980年代の後半はドメーヌとオリヴィエ・ルフレーヴでの醸造を掛け持ちしていた時期である。
彼にとって幸運なことは、父方がヴォルネイの大ドメーヌで、母方はピュリニーの著名ドメーヌ出身だったことだろう。
母はエティエンヌ・ソゼの一人娘。ボワイヨ家には3人の子供がおり、3人それぞれに相続権があったため、1991年にジャン・マルク・ボワイヨはエティエンヌ・ソゼの畑の3分の1を手に入れることができた。
ピュリニー・モンラッシェ1級のコンベット、シャン・カネ、ルフェール、トリュフィエール、それに村名のピュリニーとシャサーニュである。
現在、ドメーヌの所有畑は11ha。ヴォルネイ、ポマール、ムルソー、ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェなど、コート・ド・ボーヌの赤白両銘醸地に区画を有する。
白ワインの醸造は、まず収穫したブドウを除梗せずに空気式圧搾機で搾汁。デブルバージュをし、細かな澱は残したままオークの小樽で発酵。新樽率は25〜30%。11ヶ月間熟成させ、週に1回バトナージュを施す。
一方、赤ワインは、100%除梗のうえ、13度で低温マセレーションのあと最高32〜34度でアルコール発酵。さらにそのあと29度のポストマセレーション。25〜30%の新樽を用い、11ヶ月の樽熟成(ヴィンテージによって異なる)。その間の澱引きは一切なしだ。
ジャン・マルク・ボワイヨの白ワインはたっぷりとしたボリューム感を基調とし、ミネラルの強弱によってアペラシオンが表現される。
赤ワインもまずしっかりした果実味の凝縮感があり、ストラクチャーの強弱がアペラシオンを物語る。
現在は、ジャン・マルクの娘リディが、夫のフランソワ、そしてその子供たちとともに父のワイン造りへの情熱と経験を受け継いでいる。