所在地 |
FRANCE BORDEAUX NAUJAN ET POSTIAC |
お値打ちボルドーの銘醸家、デスパーニュ家のスタンダード
シャトー・ベレール・ペルポンシェールは、「モン・ペラ」や「ジロラット」で知られるデスパーニュ家がアントゥル・ドゥー・メール地区に所有するシャトー。
同家は合わせて300haのブドウ畑をボルドー各地に所有し、このベレール・ペルポンシェールの作付け面積は40haになる。
アントゥル・ドゥー・メールACの白とボルドーACの赤があり、それぞれスタンダードな「レゼルヴ」と上級クラスの「グラン・ヴァン」の2本立て。
グラン・ヴァンにする区画は毎年決まっているが、ロットの出来によってはレゼルヴに格下げすることもある。
ブドウ栽培では現在、ビオディナミを試験的に実践中。
白の醸造では可能な限り酸素との接触を避ける手法をとる。収穫したブドウを醸造所に運ぶ段階から、積極的に窒素ガスを用いて酸化を防止。
果汁を果皮とともにマイナス2〜3度まで冷却のうえ、じつに5週間ものスキンコンタクトを行い、その後、16〜18度で3週間のアルコール発酵。
マロラクティック発酵はヴィンテージ次第で行わない年もある。
レゼルヴの品種構成はソーヴィニヨン、セミヨン、ミュスカデルがそれぞれ3分の1だが、グラン・ヴァンはソーヴィニヨン70%、セミヨン30%という比率。
上級のグラン・ヴァンは全体の2分の1〜3分の2を樽発酵、熟成期間は8ヶ月。
エキゾチックな果実のアロマとともにオーク由来の香ばしさが重なり、フレッシュなレゼルヴとは対照的なスタイルである。
赤ワインはセメントタンクとステンレスタンクで発酵。ルモンタージュにより抽出を行う。レゼルヴは一部のみ樽熟成を施し、その樽も古樽のみ。
密植された区画のブドウが用いられるグラン・ヴァンは全量樽熟成。3分の1の割合で新樽も用いられる。
品種構成はヴィンテージにより異なるが、2009年の場合、レゼルヴがメルロー70%、カベルネ・ソーヴィニヨン20%、カベルネ・フラン10%。グラン・ヴァンはメルロー70%、カベルネ・フラン30%である。
どちらもただのボルドーACとは思えない、緻密な構成。とりわけグラン・ヴァンは凝縮感に富み、まろやかなタンニンがワインに骨格を与え、じつに飲みごたえがある。
昨今のロゼブームにより、このシャトーでもカベルネ・ソーヴィニヨン100%からなるロゼが造られている。
圧搾後、一定期間、果皮と果汁を漬け込んで色を引き出すマセラシオン法によるロゼで、快活なフレッシュさと豊かな果実味を兼ね備えた完成度の高いワインとなっている。