所在地 |
フランス ブルゴーニュ ジュヴレ=シャンベルタン FRANCE BOURGOGNE GEVREY-CHAMBERTIN |
クラシックな長期熟成タイプのジュヴレ
ドメーヌは、創業者シュタニラウス・セラファンが戦後、シャルム・シャンベルタンの畑を買ったことに始まる。
彼はポーランドから移住してきた木工職人だったが、この畑を手に入れたのを機会に栽培農家に転身した。
その後、2代目クリスチャンが継いで畑を増やし、現在、合わせて5.3haの畑を耕作している。
所有するアペラシオンはブルゴーニュ・ルージュに始まり、村名ジュヴレ・シャンベルタンのノーマルとヴィエイユ・ヴィーニュ、村名シャンボール・ミュジニー・レ・ボードとモレ・サン・ドニ・ミランド、ジュヴレ・シャンベルタンの1級がコルボー、フォントニ、カズティエ。そして最後に特級シャルム・シャンベルタン。
このシャルム・シャンベルタンはふたつの区画からなり、ひとつはシュタニラウスが買ったシャルムで、もうひとつはクリスチャンが手に入れたマゾワイエールだという。
クリスチャンは2012年に完全に引退。現在は、3代目として、クリスチャンの娘カリンヌとその従姉妹で同じ年のフレデリック・グーレイの二人で運営している。
カリンヌが販売・管理を、フレデリックが栽培・醸造を担当。カリンヌは2006年から、フレデリックは1999年からドメーヌで働き2003年からは栽培、醸造ともに担当している。
つくりはクリスチャンのつくりを踏襲し、クラシックながらピュアで長熟なタイプのワインを生み出している。
セラファンのワインは高い新樽率が特徴だが、クリスチャンの時代に比べて樽の焼き加減は少ない。
ブルゴーニュ・ルージュは40%が新樽を用い、村名ジュヴレイが50%、同ヴィエイユ・ヴィーニュ以上は100%となり、樽熟成期間は14か月。
澱引きなしで樽熟し、その後、アッサンプラージュし、2〜4か月間のタンク熟成をおこなう。
製樽会社はおもにセガン・モローとフランソワ・フレール。前者はエレガントなクリマに、後者はパワフルなクリマに向いているとのこと。
ワインがこれほど高い新樽に耐えられるのも、ブドウの品質が確かだからだ。
畑での作業はビオロジックに近い。認証は取っていないが、作業自体はビオロジックそのもの。
依然と変わらず100%除梗し発酵作業をする。発酵は収穫の最後の日以降に開始。
収穫したものは発酵が始まらないように低温保管しておく。約1週間で収穫が終わると、そこから発酵作業。
キュヴェゾンは約17日間。収穫を待っている1週間とその後の発酵日数の10日間。
その間、発酵初期段階は日に2回のピジャージュ、後半は1回のピジャージュと1回のルモンタージュを合わせて行う。
瓶詰には出来るだけ月の運行カレンダーに従い、月の沈むタイミング、かつ、フルーツの日に瓶詰するようにしている。
しかし、ビオやビオディナミの認証を取るつもりはない。
ドメーヌのスタイルは、瓶熟によってタンニンが丸くなり、香りも開いてくるタイプ。
時間に余裕がある人は、買ったら10年ほど忘れてしまったほうが、より幸せな結果を得られるはずだ。