洗練されたビオワインを生み出す、コルシカの大ドメーヌ
クロ・クロンビュはコルシカ島の北西、カルヴィ郡に属するリュミオ村のドメーヌ。
AOCヴァン・ド・コルス・カルヴィの中心地にあり、海寄りのリュミオ村と2000メートル級の山を背後に抱くモンテグロッソ村の間に55haのブドウ畑を有している。
ドメーヌの創立は1973年で、アメリカ大陸を発見したクリストファー・コロンブスがカルヴィ生まれという説(当時、コルシカ島はジェノヴァの統治)にちなみ、クロ・クロンビュと名付けられた。
1989年に現当主のエチェンヌ・スッツォーニがドメーヌを引き継ぎ、2010年、ビオロジック農法の認証を取得(AB、ECOCERT)。テロワールの特徴を明確に引き出すため、同じ年に醸造施設を刷新している。
そのテロワールは風化した花崗岩のマサ土とシスト(結晶片岩)、それに粘土が入り混じる。温暖で乾燥した地中海性気候だが、強く吹きつける風が夏の猛暑を和らげ、海岸からわずか2キロしか離れていないため、ワインの風味にも潮風の影響が感じられる。
AOCヴァン・ド・コルス・カルヴィの赤ワインは、樹齢の高いシャカレッロ80%、ミニュステッリュ10%、カルカジョリュ10%からなる。ブドウ畑は花崗岩質のマサ土に広がり、植え付け密度は1haあたり4000本。こうすることでブドウの樹同士が競争し、根は土中深くまで伸びて冷たい粘土層までたどり着き、ブドウにフレッシュさとミネラル分をもたらすという。
ブドウはすべて手摘み。除梗破砕後、6度で3日間の低温マセレーションを行い、ルモンタージュとデレスタージュをしながら醸し発酵。数ヶ月、タンクで熟成させた後、瓶詰めされる。
同じく白ワインはヴェルメンティーノ100%。品種は単一ながら、花崗岩質のマサ土、シスト、粘土など多様で、それが風味の複雑性に寄与している。赤と違って、白は夜間のうちに機械で収穫される。涼しい夜のうちに短時間で収穫し、フレッシュ感を保つのだ。10時間のスキンコンタクトでアロマを引き出し、12〜16度の低温でアルコール発酵を行う。
花崗岩のマサ土で栽培された、高樹齢のニエルッチョ、シャカレッロ、サンソーからロゼも造られている。これも白ワインと同じく、フレッシュさを維持するため機械収穫。ブドウを圧搾後、3〜5日のマセレーション。ステンレスタンクを用い、12〜16度で低温発酵が行われる。
どのワインも洗練という言葉がふさわしく、フレッシュ感溢れる味わいのおかげで、南仏のワインにありがちな重々しさが微塵もない。昨今のライトでヘルシーな料理と最高のマリアージュを見せてくれることだろう。
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