ビオロジックを果敢に挑む、エピヌイユの注目ドメーヌ
ドミニク・グリュイエの両親が、1212年までその歴史を遡る、エピヌイユの「ドメーヌ・ド・ラベイ・デュ・プティ・カンシー」を手に入れたのは1990年。この年からドミニクがドメーヌに常駐し、ワイン造りを復活させた。
このドメーヌはタンレイのラベイ・ド・カンシーと関係の深いシトー派修道院の建物で、ヌヴェール伯、オーセール伯およびトネール伯であり、後にコンスタンティノープルのラテン皇帝となるピエール・ド・クールトネイの寄付により、修道僧らの夏の住まい、かつワイン醸造用の倉庫として建てられた。
13世紀にブルゴーニュ公妃マルグリットからさらに寄付を受け、ル・プティ・カンシーと呼ばれるようになり、さらに後にラベイ・デュ・プティ・カンシー、あるいはシャトー・デピヌイユと呼ばれるようになったという。
ドミニクが栽培醸造家としてこのドメーヌを運営し、およそ20年かけて建物を修復。不順な気候の多い北部の産地にもかかわらず、2010年から100%ビオロジック栽培に転換を図り、2014年中に認証を得られる予定である。
2009年にシャブリのブドウ畑も手に入れ、ドメーヌは現在、27haを所有。
シャブリはプティ・シャブリ、シャブリ、シャブリ・プルミエ・クリュ・モンテ・ド・トネール。
エピヌイユにはブルゴーニュ・エピヌイユ、ブルゴーニュ・エピヌイユ・ロゼ、ブルゴーニュ・トネール、それにクレマン・ド・ブルゴーニュである。
ヨンヌ県のピノ・ノワールとしては肉付きのよい、ブルゴーニュ・エピヌイユの品質も素晴らしいが、24ヶ月以上の瓶内熟成を経てリリースされるクレマン・ド・ブルゴーニュもじつに秀逸。並みのシャンパーニュを凌駕する飲み応えをもつ。
生産者情報のPDFダウンロード:ドミニク・グリュイエ